作家 下重暁子の新書「年齢を捨てなさい」(2019年4月新刊)の中で、佐伯恵美が企画した公演『クリスマスの思い出』が紹介されました。トルーマン・カポーティは作品『ティファニーで朝食を』でよく知られた有名作家ですが、『クリスマスの思い出』は彼の幼少期の思い出を綴った感動的な作品です。
(下重暁子「年齢を捨てなさい」幻冬舎 より抜粋)佐伯恵美さんの企画で矢代朝子さんの朗読、佐伯さんの作曲とピアノ、村上春樹さんの要望で全編カットなしの2時間近い物語と音楽でした。矢代さんは、有名な劇作家・矢代静一の長女で、文学座で基礎を学んだ女優です。オランダでクラヴィコードという古楽器を学んだ佐伯さんが奏でる、桜材で出来た美しい楽器のかそけき音に魅せられた私は、詩の朗読とクラヴィコードで、軽井沢で催しをしたことが何回かあります。物語は回想の形で始まります、、、、、年の差なんて関係ない、この上なく最高な2人の関係。その思い出を持っている限り、人は老いるということはないのです。終わり近くになると、会場からはすすり泣きが聞こえました。黙ってハンカチで目を押さえている女性もいます。私も目頭が熱くなりました。
投稿日:2019.5.1